母子手帳の産後健診時身体項目追加を要望
〜 お産は病気じゃないけど命がけ!1万人ママの声を届けたい ~
一般財団法人日本女性財団(代表 対馬ルリ子)は令和4年度 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業として出産経験のある女性6505 名(出産件数 11,570 件)を対象に、「妊娠中・出産後の母体の身体トラブル実態調査」を特定非営利活動法人リマインド(本社:埼玉県さいたま市、代表理事:河合麻美)と協力して実施した。回答者の 91%(8680件)に妊娠中・出産後に腰痛、尿失禁、骨盤痛、腱鞘炎など身体トラブルがあり、家事、育児、職場復帰への不安、精神状態低下、二人目妊娠の躊躇とも大きく関連していることが分かった。令和4年7月、小川かつみ参議院議員紹介の元、自民党政務調査会長 高市早苗議員、内閣府大臣政務官 宮路拓馬議員、厚生労働大臣政務官 深澤陽一議員、自民党厚生労働部会長 牧原秀樹議員へ、上記アンケート結果と合わせて 、1.母子健康手帳への産後健診時の母体身体トラブルに関するアセスメントを追加、2.産前産後の母体の身体ケアの充実(セルフケア指導・医療行政機関でのケア・産後ケア事業拡充等)に関する要望書を提出した。https://sangomama.info-web.site/
高市早苗政調会長へ要望書提出
2022年4月30日~5月31日、出産経験者を対象に妊娠中出産後の母体の身体トラブルと産後鬱、家事・育児、職場復帰、2人目出等についての課題について関連性を明らかにする「#1万人ママの声を聞かせて」妊娠中出産後の母体身体トラブル実態調査(WEBアンケート)を、一般財団法人日本女性財団(代表 対馬ルリ子)受託、令和4年度 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業として実施。理学療法士、産婦人科医、助産師等、妊娠中出産後の母体身体トラブルに関わる専門職はじめ議員等を中心に多職種でチームを立ち上げ、協力者有志と共に出産経験のある女性6505 名(出産件数 11,570 件)の声を集めた。アンケート結果から、出産経験のある91%の女性が妊娠中出産後に腰痛、尿失禁、骨盤痛等なにかしらの身体トラブルを経験しており、妊娠中に現れた身体症状としては腰痛(70.6%)、恥骨痛(44.7%)、尿もれ(35.3%)の順に多く、仙腸関節痛、股関節痛、肛門症状、背中・肋骨の痛み、手足のしびれ等があった。また、出産後は腰痛(63.6%)、尿もれ(44.7%)、肩の痛み(35.3%)に次いで、乳腺炎、手首の痛み、肛門症状、首の痛み、恥骨痛、尾骨痛、子宮脱など様々な症状がみられたが、実際に医療機関に受 診した方は15%となっており85%が受診しなかったと回答した。また、妊娠中出産後の身体トラブルは家事、育児、職場復帰への不安、精神状態低下、二人目妊娠の躊躇とも大きく関連しており、母親自身だけでなく家族や
職場などにも支障が出ていることが分かった。身体トラブルがあった方の約半数が「意味もなく不安になった」「社会から離れるようで孤独に感じた」と回答しており、「自分自身を傷つけるという考えが浮かんだ」自傷念慮も約1割いた。心と体は切り離せない関係であり、心身共に母体のケアをする必要があると考えられる。今回のアンケート結果と共に、妊娠中出産後の母体身体ケア充実を図るため、1.母子手帳の産後健診時の母体身体トラブルに関する項目追記、2.産前産後の母体身体ケアの充実を図る要望書を、小川かつみ参議院議員の紹介のもと、自民党政務調査会長 高市早苗議員、内閣府大臣政務官 宮路拓馬議員、厚生労働大臣政務官 深澤陽一議員、自民党厚生労働部会長 牧原秀樹議員へ行った。要望書内容は以下の通りである。
【妊娠中産後の母体の身体ケア充実に関する要望書】
わが国では生産年齢人口が減少する中、女性の労働力に期待が集まっている。一方で、出生数は今年過去最低を記録するなど少子化に拍車がかかっており、女性が活躍する社会の実現が急務となっている。しかし、産後うつによる自殺や育児放棄、虐待等も後を絶たず、育児中の女性への支援体制が喫緊の課題である。 今回、我々が出産経験のある女性 6,505 名(出産件数 11,570 件)に対し行った「妊娠中・出産後の母体の身体トラブル実態調査」一般財団法人日本女性財団(代表 対馬ルリ子)受託(令和4年度 独立行政法⼈ 福祉医療機構 社会福祉振興助成事業)では、 その 91%(8680件)が妊娠中・出産後に腰痛、尿失禁、骨盤痛、腱鞘炎など身体トラブルがあったと回答しており、家事、育児、職場復帰への不安、精神状態低下、二人目妊娠の躊躇とも大きく関連していることが分かった。
また、多くの回答者から「身体トラブルについて誰にも相談できず辛かった」「育児に追われ自分の身体ケアは後回しに なっていた」との感想が寄せられ、妊娠・出産は母体に大きなダメージを与えるにも関わらず、産前・産後の母体ケアは蔑ろになっている実情が明確になった。
多くの母体に妊娠出産による身体ダメージが認められるにもかかわらず 、出産直後から育児が始まる女性への救済措置や支援体制などは未整備のままとなっている。産後の女性が安心して育児や職場復帰を果たすためにも、 妊娠中・産後の女性の身体ケアの充実による、制度的・財政的支援が求められるところであり、そのことによってこれらの課題の解決につながると考えられる。
よって、まずは女性が身体トラブルに向き合い、必要なケアに辿り着けるために以下を要望し、実現に向けて取り組むことを要望する。
【要望項目】
1.母子健康手帳への産後健診時の母体身体トラブルに関するアセスメントを追加
2.産前産後の母体の身体ケアの充実
(セルフケア指導・医療行政機関でのケア・産後ケア事業拡充等)
~取組に至った背景~
2022年2月自民党政務調査会厚生労働部会に設置された「リハビリテーション小委員」(委員長:小川かつみ参議院議員)で予防領域の課題としてマタニティヘルスについて産婦人科医 、理学療法士が発表をした際に妊娠中出産時に母体の身体トラブルと産後鬱や家事・育児等、職場復帰との関連性が不明なことが分かり、2022年4月30日~5月31日「#1万人ママの声を聞かせて」妊娠中出産後の母体身体トラブル実態調査(WEBアンケート)を一般財団法人日本女性財団(代表 対馬ルリ子)受託(令和4年度 独立行政法⼈ 福祉医療機構 社会福祉振興助成事業)実施した。アンケート実施期間中、特設サイトにて協力者を募集し、協力者有志と共にSNS拡散、全国各地でチラシ配布などアンケート周知を行った。アンケートは全国から出産経験者6,505 名(出産件数 11,570 件)の回答が得られ、うち9割の女性が妊娠中出産後に身体トラブルを経験していることが分かった。この結果を元に、まずは身体トラブルを母親自身が早期に気付き、必要なケアをするため、1.母子健康手帳への産後健診時の母体身体トラブルに関するアセスメント追加、2.産前産後の母体の身体ケアの充実(セルフケア指導・医療行政機関でのケア・産後ケア事業拡充等)に関しての要望書を提出した。
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