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執筆者の写真日本女性財団

国際女性デーに寄せて

当財団代表理事 対馬ルリ子よりメッセージです。



3月1日~8日は女性の健康週間です。


これは、3月3日の雛祭り、

3月8日の国際女性デーに合わせて


厚生労働省と日本産婦人科医会・学会が

10年以上前から取り組んでいる啓発推進ウィークで、


この数年のフェムテックや月経の貧困、ダイバーシティ、

S D Gs、ジェンダー平等などの動きを反映して、


今年は特に様々なイベントが予定され、

テレビや新聞でも特番や特集が組まれています。






女性の健康とウェルビーイングは、


私の一生のテーマであり仕事のメインでもあります。





産婦人科がお産と手術しかしていなかった

医学生時代には、


女性の生涯健康支援をしたい私

が産婦人科医になっていいのか?と思いましたが、


とりあえずお産も手術もできるようになった方がいいだろう、

と考えて産婦人科研修を始めました。


それから40年近くたって、ようやく産婦人科も、

女性の健康、ウィメンズヘルスを

医療領域として取り入れ始めていますし、


それが功して産婦人科志望の

女子、男子も増えているようです。


何しろ、医学も医療も、

どう疾病や衰弱を予防(繰り延べ)できるかに

取り組む時代になっていますからね。


その答えが、ヘルスリテラシー=健康教育と、

早めの医療アクセスです。


ワクチン、検診や相談は、最も若いうちから

医療への親和性を高める仕組みです。


私は、診療の合間に、

このようなイベントや特番、特集を頼まれたり、


あるいは自分で企画してきたりしましたが、


これだけ盛り上がって

若いドクターやアクティビストたちが動き出してきたら、


そろそろ国が政策制度化して、大きな予算を

女性の健康支援にまわしてほしいと思っています。



企業も健康経営やD &I事業の大きな柱として、

まずは月経・更年期の身心負担を楽にすること、


次に、妊活期、妊娠中、産後も安心して快適に働けるようにすること、


育児や家事・介護の負担を、成人家族や企業や社会がシェアする

包括的な仕組みを「皆で作る」ことを


提案して行きたいと思っています。


異次元の少子化対策をするなら、まずは、

これから産む可能性のある女の子(10歳~30歳)と親に、


どうしたらその子が近々(10年以内)に、

子どもが産めるか、意見を出してもらいましょう。


親としては、


まずは心身が健康で明るく育ってほしい。

人並みの教育を受けて安定した収入がある社会人になってほしい、

素敵な伴侶を得て家族形成してほしい、


とか言うでしょう。


女の子たちは、

ステキな彼氏、あるいは親友の存在、お金、将来の夢かな?


その中に、

性被害や性差別を受けたり、

月経痛でのたうちまわったり、

思わぬ妊娠や性感染症で困ったりの事態は


想定していないと思います。


しかし、我々産婦人科医が目にするのは、主に後者。


それも決して珍しいことではない。


どんなに性格がよくても、

親や家庭がしっかりしていても、

お金持ちでも地位が高くても、


若い女性にはよくある出来事なんです。


だからこそ、親や社会や専門家は、

どのようなことが起こりうるのかを想定した予防策を考え、


またどんな事態にも、

早く冷静に対処できる連携体制を整えたい。


それがあってこその、

幸せな妊娠、出産、産後、就労継続、昇進昇給、

生きがいのある人生になっていくから。


若い時のちょっとした困難やつまづきを、

一生の不妊や自暴自棄、

うつや自殺などの結末につなげてほしくない!


だから女性の健康週間は、女性や女の子が知って考えるだけでなく、

国民や行政も政府も、専門家たちも、

その意義について再確認する1週間にいたしましょう!




PS

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※「パーソナル健康学」のメールマガジンに掲載されました※






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